三和酒造の焼酎づくりは、昔ながらの製法で行います。
科学技術が発展した現代で、なぜ手間のかかる鹿児島伝統の造り方にこだわるのか?
それは、「この上なく旨い焼酎ができる」と知っているから。
わたしたちの焼酎は、地中に埋めた甕壷(かめつぼ)でもろみを仕込み、木樽蒸留器で常圧蒸留し、甕壺で貯蔵・熟成させます。
蔵にとっては生産効率が悪く、蔵人にとっては体力的にきつい手作業ばかりです。
「甕壷仕込」は、手間がかかるのに、多くの量を仕込めません。
「木樽蒸留」は、もろみの移動が大変だし、大量に蒸留できないし、維持管理に相当な費用がかかります。
「甕壺貯蔵」は、容量が小さくて大量に貯蔵できないです。
なんだか、マイナスな面ばかり述べました。
実際に、三和酒造の焼酎造りは、苦労ばかりなんです。
機械化を進め、ステンレスの大容量タンクや蒸留器を使えば、清掃もメンテナンスも簡単だし、生産効率も大幅にアップすることでしょう。
作業も楽だし、経営的にもメリットがあります。
蔵から見ると、本当に夢のような世界です。
でも、私たちは知っているんです。
甕壷で仕込んで、木樽で蒸留した焼酎は、ステンレスで仕上げた焼酎と明らかに違うことを。
柔らかくて飲みやすく、味わい深い酒になることを。
それが、壷に住み着く、微生物の力なのか。木樽の木質によるものなのか。学術的に解明されていない部分も多く、ロマンを感じます。
わたしたち三和酒造の想いは、ただひとつ。
うまい焼酎をあなたに届けたい、ということ。
だから、これからもロマンを追い続けたいと思っています。